月々と群青

「三月と群青」が好きすぎるオタクです、検索妨害になってたらごめんなさい

みんなで漢字入門!~part1 音読み編①~

漢字のここが嫌だpart1:「しんにょうの点が1個のやつと2個のやつとの違いがわからない」

 

 

こんにちは群青です。4月、それは暇の季節。

 

大学生の私は、毎年この時期にはいわゆる四月病にかかり意識の高い履修を組んで、別にその後もだれることもなく普通に1年間比較的きつめの時間割を生きていくのが常なのですが、まだ履修を決めてすらいません。どうしましょう。家から出られなくて四月病になれない。

 

まあそんな中でも暇すぎて、本来なら授業が始まっている時期なのに勉強していないのはいいのだろうか……??というお気持ちになってしまい、なにか勉強的なことをしたいなあと、思い立つわけです。いや就活やれよ

 

というわけで漢検準一級の勉強を始めました。ちなみに漢検準一級の勉強を始めたのはこれで3回目です。本当は大学2年の時に受検するつもりだったのですが、2回連続で開始直前になって別の用事が重なっていけなくなるというあーーーなんでこんなことになったんだろうかーーーーという事態になりもう心が折れて結局受検していません。

 

今回も使用するテキストはこれです。完全征服「漢検」準1級

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2005年3月1日 第2版第1刷発行と書いてありました。まあもっと新しい本を使った方がいいと思いますが、まあこんなご時世ですし……実際に受検するつもりはありませんいまのところ。お金ないし。

 

はじめに

この本は

「読み」:A.音読み、B.訓読み、C.表外音訓読み、D.熟語の読み

「書き」:E.書き取り、F.同音異字·同訓異字の書き分け、G.誤字訂正、H.書き換え漢字、I.対義語·類義語、J.四字熟語、K.故事成語ことわざ

「文章」:L.文章を読み、書く

の3つの章12項目に分けて勉強できます。

以下に漢字検定協会が配布している答案用紙を貼ります。

https://www.kanken.or.jp/kanken/textbook/data/past_h30_rank_j1.pdf

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これを見るとわかるように上述の単元とほぼ一致していることがわかります。つまりこの本を読めば満点間違いなしということです。ちなみに漢検準一級の合格点は200点満点中160点程度です。

 

 

A.音読み

今日は最初の12ページ分、「音読み」の240問をすべて解きました。例文の一部に傍線が引かれてそこの読みを答えるという問題です。私の点数的には240点中203点なのでまあまあですね。

 

音読みの勉強で大事なのは意味もしっかり覚えることです。音読みなんて百姓読みしちゃえばだいたい正解しちゃうんですよ。そして何も考えずに答えるから何度も間違える。それを阻止するためには単語の意味をしっかり理解することが大事!ということでそういう記事です。いくつかピックアップしていきたいと思います。

 

 

斯界の権威者に依頼した。

「しかい」と読みます。意味は「その道を専門とする社会。この社会。この分野。*1

そもそも「斯」という感じが訓読みで「これ」「こ-の」「か-く」「か-かる」のような読みをするので、それが「この社会。この分野。」という意味に繋がるのでしょう。例文は一つ目の意味で使われていますね。

ちなみに「斯」という漢字はほかに「瓦斯」という漢字に使われます。何と読むかわかりますか?正解は「ガス」です。当て字。

 

 

錫杖を鳴らして修験者が行く。

「しゃくじょう」と読みます。まあ修行僧が持っているものなんでしょうね。Wiki的には「錫杖(しゃくじょう)は、遊行が携帯する道具(比丘十八物)の一つである」だそう。*2

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長さ170センチメートルという非常に長い代物。いや本当に長い。当時の修行僧の平均身長何センチだよ。ちなみに法会、儀礼の場で使われる梵唄(ぼんばい)作法用のの短いものがある」そう。なるほど、どおりで楽天市場で「錫杖」で検索したら沢山ヒットしたけど30cmくらいしかなさそうなものばかり並んでたのか……。

【楽天市場】錫杖の通販

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蔵の臼杵の損傷を調べる。

読みは「きゅうしょ」。意味を調べたら「臼(うす)と杵(きね)」。…………

やべえ書くことがない……!!!!

そうなんすよね~~~~準一級程度になるとこういう「いやただ並べただけかい!!!!」な熟語とかもあったりするんですよ~~~~

う~~~~んなに書こうかな……「臼」が「キュウ」と読むのは「臼歯」「脱臼」でわかると思います。「杵」を「ショ」と読むのは私は小学生の時に「霊滅独鈷杵(れいめつどっこしょ)」という遊戯王カードで覚えました。難しい漢字と英単語はだいたい遊戯王で覚えた。

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堆朱の椀を揃えた。

読みは「ついしゅ」。Wikiを丸パクリすると「堆朱は、彫漆の一種である。彫漆とは、素地の表面に漆を塗り重ねて層を作り、文様をレリーフ状に表す技法を指すが、日本では表面が朱であるものを「堆朱」、黒であるものを「堆黒(ついこく)」、黄であるものを「堆黄(ついおう)」と呼ぶ。中国では、黒漆の層に文様を彫り表したものを「剔黒」、朱漆の層のものを「剔紅」といい、中国漆器を代表する技法とされる。通常の漆は硬くて彫刻が困難だが、発展経緯とその継承から技法も様々となる。」*3

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漆塗りの一種ですかね??そういう知識はそういうものだと受け止めていきましょう!!知らん!!

 

 

古い建物が櫛比する町だ。

読みは「しっぴ」。「くしを比べる」と書くように、「櫛 (くし) の歯のように、すきまなく並んでいること。」を意味する言葉です。*4

これこれこういうのだよ!!といいたくなる言葉です。別に錫杖が読めたからなんだという話なんですよね。固有名詞みたいなものだし。そういうのもインテリとしては大事なのかもしれませんが、文章でポロっとインテリアピールするためにはこういう修辞系が大事なんですよ。さあ皆さんもぜひ覚えましょう。例文を見る感じだと主に建物が立ち並ぶときに使われることが多いようですね。

 

 

晦渋な文章だ。

自己言及。読みは「かいじゅう」意味は「難しい」です。「晦」の字は「大晦日(おおみそか)」の字に使われるように「月の最後」という意味もありますが、ここでの晦は「くらい」という意味でしょう。「渋」の字も「渋滞」の字にあるように「とどこおる」という意味があるので、よくわからなくてうごかない様を表しているのだと思います。

 

 

美しい玉の箭頭が発掘された。

読み方は普通に読んだ通り「せんとう」で正解でした。意味は……??はい。

調べました。

なんか…………。

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アッ「头」は中国語の簡体字で「頭」です

箭頭って普通に中国語そのままでは……????

「矢」のことらしいです。一説には特に鏃(やじり)、矢の刺さる部分の鉄のことでは?とのこと。

準一級は中国語も学ぶんですねえ~~

 

 

作品を集め上梓することになった。

読みは「じょうし」。二文字目の「梓」は「あずさ」です。中野でも小豆でもない。意味としては「出版」とほぼ同義だそう。「《梓 (あずさ) (キササゲ)の木を版木に用いたところから》1 文字などを版木に刻むこと。2 書物を出版すること。」*5

正直に申し上げると私は今ここで調べるまで「上梓」は「したためた書物を何か上の存在に献上するもの」だと勘違いしていました。「上」にそういった意味はないそうで、今改めて調べてみてよかったと思いました。はい。

 

 

巽言の重みを知った。

読みは「そんげん」です。「巽」が「たつみ」ということは誰でも知っていることでしょう。そのほかに「やわらかい。へりくだった」という意味もあるようです。知らねえよ。

つまりこの例文の意味は「賢人·家臣の優しい言葉の中に値千金の重みがあるのだ」といった意味合いだそう。なるほど。でなんでキミ「そん」って読むの。

 

 

楓葉荻花の風景を描く。

四字熟語ですね。「ふうようてきか」と読みます。漢検的には「荻(おぎ)」に「テキという音読みがあることを知ってる?」というだけの問題なのですが、せっかくなので原典をあたってみましょう。漢詩世界 抒情詩選というサイトから拝借いたしました。ありがとうインターネット。

潯陽江頭夜送客,
楓葉荻花秋瑟瑟。
主人下馬客在船,
舉酒欲飮無管絃。
醉不成歡慘將別,
別時茫茫江浸月。
忽聞水上琵琶聲,
主人忘歸客不發。
尋聲闇問彈者誰,
琵琶聲停欲語遲。
移船相近邀相見,
添酒迴燈重開宴。
千呼萬喚始出來,
猶抱琵琶半遮面。

 

うん、どういう意味なのかはよく分かりませんが、2行目に求めていた一節がありますね。「楓葉荻花秋瑟瑟:カエデの(色づいた)葉やオギの花に、秋のもの寂しい風が吹いてくる。 ・楓葉荻花:カエデの色づいた葉に、オギの花。 ・瑟瑟:もの寂しく(秋)風が吹く。瑟瑟は寂しく吹く風の形容。「瑟瑟」を「索索」ともする」とかいてありました。

まあ意味合いとしては花鳥風月のようにただひたすら雅なものを集めたといったものでしょうね。ふうようてきか。ちなみに「荻」を「テキ」と読むのは百姓読みでもいけますが、あなたはわかりますか?

正解は「北狄」です。南蛮東夷西戎北狄を合わせて中国が異国民を呼んでいた蔑称です。中学受験でやりましたね。今思うとなかなかなものを教えたなあとなりますが。

 

 

家々から砧声が響く。

読みは「ちんせい」。「砧」は「きぬた」です。世田谷区の地名ではないです、いやその地名の由来になったものだから間違ってはいないけど。

砧(きぬた)とは「洗濯した布を生乾きの状態で台にのせ、棒や槌でたたいて柔らかくしたり、皺をのばすための道具」のことです。*6

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叩く棒の方ではなく布を載せる台のことらしい

当時はアイロンもなかったので、布のしわを、この砧という棒·木槌で叩いて伸ばしていました。またこれで布を叩くことで布につやが出てくるのもこの砧のいいところだそう。

そして昔は夜になるとこれで布を叩く音があちこちの家から聞こえてきたそうです。そう、それこそが「砧声」。想像してみるとなかなかに風流ですねぇ。実際に聞いたらうるさいだけな気もするけど。

 

 

弘誓の船にさおさして生死の苦海を渡る。

これ「ぐぜい」って読むんですよ。初見では絶対無理です。弘誓ってなんだよ。goo辞書によると「仏語。衆生救済の誓いによって仏・菩薩 (ぼさつ) が悟りの彼岸に導くことを、船が人を乗せて海を渡すのにたとえた語。誓いの船。」*7とありますが別にフランス語ではなく仏教の用語です。つまりどういうこと??「さおさす」とは「さおを使って船を乗り進める」ことですがどういうこと??

「難思の弘誓は難度海を度する大船」
親鸞『教行信証』総序(『真宗聖典』149頁)

このあたりの解説に詳しいかも。「人間の知性ではおもいはかることができない、生きとし生けるものをどこまでも広く救済しようと誓った阿弥陀仏の本願は、渡ることが難しい荒海のような苦悩の中を生きる人を、苦しみを超えた世界へと渡らせる大きな船である。」ということだそう。このあたりを詳しく掘ろうとすると浄土真宗を髄まで学ばなければいけなくなり、時間がいくらあっても足りないのでちょっとこの辺でとどめておきます。すみません。

 

 

鹿茸漢方薬として用いる。

読みは「ろくじょう」。

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鹿の角ですね。厳密には鹿の幼いツノを乾燥したもので、すりつぶすなどして漢方薬として使われているようです。え?名前の由来?どうせ乾燥した角がキノコみたいに見えるんでしょ??

特に付加できる情報がないな……「茸茸(ジョウジョウ)」で草木が生い茂る様を表すそうです。「鬱鬱」と同じような意味か。

 

 

 

今日はここまで。まだはじめの40問くらいしか見てないのに一日が終わりそう。この作業をこのクオリティでやろうとするとかなりつらいな……なんならもうそろそろ春休みも終わるし……。

でも私は皆さんにインテリになってもらいたいのでこのくらいのクオリティで頑張っていきたいと思います。次回更新は未定です。

次回→

 

 

 

では。